「特別よ。ホントはアタシの夕食にしようと思ってたんだから。ありがたく受け取りなさい」 「いや、いいよ。オネエが食べなよ」 「いいから。誕生日と聞いて何もやらないわけにいかないじゃない」 「でも……あたしこれから」 振り返って、向こうにいる先輩に視線を送る。 ご飯に誘われたのに。ステーキ用生肉持参って。 「アンタね、人の好意をムダにするんじゃないわよ」 「そういうわけじゃ……」