「……ま、いっか」



ハル兄宅までは、自転車をこいで近道をすればそんなに時間もかからないし。


と思って久しぶりの自転車にまたがると。



「げ。パンクしてる……」



あまりにも乗っていなかったせいで、ひび割れたタイヤからは完全に空気が抜けていた。



「仕方ない。駅前からバスで行くかぁ」



とぼとぼと歩いて商店街に差しかかると、開店準備中のオネエを発見した。



「あら、久しぶりね。東京以来かしら」


「うん、そうだね」