「あ、眞緒ちゃんだ! よかったー、心配したんだよー。宿舎に戻ったらいなかったから」 暗闇の中からようやく姿が見えた菜月ちゃんが近寄ってくる。 「あれ? 村瀬先輩と一緒だったんだ? あ、花火やったの? いいなー」 と言いながら花火の欠片に目を落とした菜月ちゃんだったけど、 あたしと村瀬先輩の様子をそれとなくうかがっているのが分かる。