「……すみません。お願いします」 「喜んでー」 なんて言っておどけた先輩と歩き出してから気がついた。 先輩の手には、ビニール袋がぶら下げられている。 「村瀬先輩、もしかしてコンビニ帰りだったんじゃないですか?」 「うん。そう」 ……そういえば。 こういうこと、入学直後にもあったっけ。 大学構内で迷子になってたあたしを、生協に連れてってくれたんだよね、先輩。 戻り足だったのに。 やっぱり、優しい人なんだなぁ。