菜月ちゃんといい、村瀬先輩といい、あたしの周りには強引な人が多いらしい。 けどでも、そのおかげで何とか塞ぎ混まずにいられるのも確かだ。 ひとりで家にいたらきっと、ハル兄のことばかりを考えちゃってたと思う。 「その調子、その調子」 「よっ、あっ! できたっ!」 「おー、上手いじゃん」 ……ハル兄にも、こんな強引さが少しでもあればいいのにな。 そんなことを思いながら、先輩のレッスンを受ける。