「ああいうことでして。すっかり忘れられてる状態で」 「ああ、なるほど」 海水をかけ合ったりしてじゃれている菜月ちゃんたちを見ながら、あたしは深いため息をついた。 ……いいなぁ、菜月ちゃん。 あたしだって本当は、楽しい夏休みになるはずだったのに。