生徒より、あたしを取るくらいのこと……してくれたって良かったじゃん。 そういう考え、ハル兄は全然なかったの? 唇をぎゅっと結んで立ちつくしていたあたしに振り向いたハル兄は、 「明日は打ち合わせもあるから午前中から夕方までかかるけど、お前どうする? 部屋で待ってるか?」 「……」 ……どうしてこうなっちゃうんだろう。 これじゃ、全然意味ない。 「……帰るよ、あたし」