「目も赤いし。さすがに疲れたろ、今日は」 「……ハル兄は?」 「明日の授業の資料をまとめないと。たぶん明け方までかかるから、お前は先に寝てろ」 立ち上がったハル兄は、キッチンに行ってコーヒーを入れている。 戻ってくる途中であたしの頭に軽く手を置くと、 「おやすみ」 そう言って、再び机に向かった。 何の言葉も返せず、ただその背中を見つめるあたし。 “おやすみ”……って。 ……せっかく泊りにきたのに。 東京に来たら……一緒に眠ってくれるって言ったのに。