*
部屋に着くとすぐに、ハル兄はお風呂の用意をしてくれた。
「先に入っていいぞ。今日は着替え持ってきたのか?」
「……うん」
うながされて、必要以上の会話もないままバスルームへ向かう。
「あ……」
途中のキッチンのシンクの中に2つのグラスを見つけた。
ふと振り返って、テーブルに視線を送る。
……あのテーブルで、授業をしてたんだよね。
きっと、ハル兄があたしのカテキョをしてくれてたときみたいに、直角に並んで。
そのポジションは、あたしだけのものだったのに。
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