「分かったか?」 「……」 「眞緒、返事は?」 「……」 何だか、くやしくて、悲しかった。 会えてうれしかったのは、あたしだけなのかな……って。 「こんな時だけ……大人扱いしないでよ」 ぼそっと漏れた言葉に、ハル兄の表情が曇る。 「なんだよそれ」 「いつもは子ども扱いばっかりするくせに……」 「それとこれとは話が別だろ?」 「来ない方が良かった? 邪魔だった? お勉強の」 「……」 「……あたし、家に帰る」