外に出てから、ハル兄が発した言葉は今のが最初。


ちらっと見上げた横顔は無表情で。



「……」



なんて声をかけていいのか分からない。


でもやっぱり、この沈黙がイヤで。


あたしは思い切って口を開いた。



「ハル兄……怒ってる?」


「別に」


「じゃあ……どうして黙ってるの?」


「……」



あたしを見下ろして少し押し黙ったハル兄は、ゆっくり口を開いた。