☆からまわり __________ 東京の夜は、明るい。 集団で歩いている酔っ払いにビクビクしながら、ハル兄の後をついていく。 「きゃっ……」 周りに気を取られていると、歩道の段差に引っかかってよろめいた。 「ちゃんと前見て歩け」 振り向いたハル兄が、手を差し出してくれる。 「う、うん……」 その手を取って、うつむいて無言で歩く。