「け、蹴っ飛ばすんですか、唯衣さん」


「一緒に寝てるとたまに。パンチなんてしょっちゅう」


「そ、そうですか」



相当寝相が悪いらしい……。


てか、「一緒に寝てると、しょっちゅう」って。


そこに反応してしまって、またまたうらやましくなる。



あたしとハル兄が朝まで一緒にいられたことって……まだ2回しかないから。


それも、たまたま出来たお泊りでしかない。



「それじゃ、これで」



隣のハル兄が頭を下げた。


あたしもつられて、ぺこりとおじぎをする。



軽く手を振る流川さんにサヨナラを告げて、あたしとハル兄は、家路についた。