「今来てるのって……女の子……だよね?」 「うん」 ちらりと中に視線を送ると、 テーブルの横に座っていた女の子と目が合った。 ぺこりと頭を下げられて、つられておじぎを返す。 「どーする? 中で待ってるか?」 ハル兄に聞かれたけど。 「いや、いい。その辺で時間つぶすよ。勉強の邪魔しちゃ悪いし……」 とっさに答えた言葉は、ほとんど無意識だった。