髪を撫でつけて、ちょっとかしこまって、扉が開くのを待つ。 ――カチャ。 「あれ? 眞緒?」 「へへ。来ちゃった」 3か月ぶりのハル兄に、顔が一気に緩んだ。 「どーしたんだよ、急に」 「夏休みになったから。バイト代も入ったしね、びっくりさせようと思って」 「ったく。お前はホントにいつも突然だよなぁ」