「アタシは山手線だけど、アンタは?」 「あたしは中央線? ……だったと思う」 「ちょっと、大丈夫なの。迷子になっても知らないわよ」 「うん、たぶん大丈夫」 少々あやふやなあたしを心配してくれたのか、オネエは自分のケータイ番号を教えてくれた。 なかなか優しい。 「何かあったら連絡しなさい」 「うん、ありがとう」