仕方なく自由席を買ったオネエと、


当然のように自由席購入済みのあたしは、一緒に新幹線ホームへ上った。



「こっちあいてるわよ。いらっしゃい」


「……」



わざわざ距離を置いていたのに、空席を見つけたオネエに大声で呼ばれてしまって。


案の定、周りの人からかなりの注目を浴びるはめに。



「あ~、楽しみだわ~、久々のTOKYO」



浮かれるオネエの隣で、



「ま、いっか。楽しみだなー、あたしもっ」



他の人の視線は気にしないようにして、あたしもハル兄に想いをはせる。