「夏休み中はオレ、ちょこちょこここに来るし。呼んでくれればいつでも付き合うから」


「あ、えっと」


「たっぷり教えてあげるよ。ボード。ご希望なら、他のことも」


「……他のこと?」


「すぐにピンとこないところもカワイイよな」


「?」



ははっと笑う先輩をきょとんと見上げる。


そんなあたしの頭をぽんぽんと撫でてから、先輩は手を振って海に戻っていった。



「……他のことって……え?」



ようやく気づいて、ほっぺが熱くなる。



始まったばかりの夏は、


こうしてあたしと村瀬先輩の距離をちょっぴり縮めた。