「眞緒」 「……うん?」 顔を上げると、柔らかいキスが落ちてきた。 きゅん……とするのに、切ない。 「じゃ、またな」 新幹線はすぐにやって来て、ハル兄を飲み込んでしまった。 「夏休み、絶対行くからねっ」 閉まるドアの向こうに声を上げる。 ほほ笑んで手を振るハル兄におもいっきり手を振り返して、 あたしは、新幹線が見えなくなるまで見送った。 「……またね……ハル兄……」 ひとりぼっちで残されたホームの上で、 気づいたら、少し……泣いていた。