愛してんで



隆「奏…?どうかした?元気無いみたいだけど…」


【gift】へ向かう途中、俯いてる奏を隆太は覗き込む。


奏「んっ…元気やで。あっ!!プリン、残ってるかなぁ~?」


隆「何かあったんだろ?」


奏「ごめん…何て言ったらえぇんか、分からへん…」


隆「無理に言わなくていいよ。話せる様になったら、ちゃんと話してよ。」


奏「ごめん…」


ポンポンと、奏の頭を優しく撫でる。

隆太の優しさは、安心する。

隆「甘いもん食べて帰ろ。」


隆太は、【gift】の扉を開けて、ショーケースへと向かう。
カランカランと、高い鐘の音が店内に響く。


店員「いらっしゃいませ。お決まりになりましたら、お声をお掛け下さい。」


にこやかに話す店員に会釈をし、ショーケースに並んでるケーキを眺める。

店内の奥は、カフェスペースになっていて、賑わいを見せる。


隆「奏、決まった?」


奏「ん~、じゃあ、ガトーショコラ。隆太は?」


隆「俺?俺は、クリームチーズケーキ。飲み物は?」


奏「ミルクティー。」


隆「おっけ!すいません、お願いします。」


美味しそうなケーキを眺めていると、奏の顔に笑顔が戻る。

店員「お待たせ致しました。店内で、お召し上がりですか?」


隆「はい。ガトーショコラとクリームチーズケーキ、それにミルクティーを2つ。お願いします。」

店員「かしこまりました。」


隆「あと、持ち帰り用にショコラプリン10個、お願いします。」


店員「かしこまりました。それでは、お会計2,900円でございます。ケーキとお飲み物は、お席へお持ち致しますので、お掛けになって、お待ち下さい。」


隆「奏、先に席に行って。俺、会計してくから。」


奏「分かった。後で、半分出すね。」


隆太に告げると、空いてる一番奥の席へと向かった。