愛してんで



〈奏ーーーっ!!〉

昂「《ここに居らんかったら…》」


誰しもが、不安に足元を崩されかけていた。


でも、今出来る事は、名前を叫び見つけ出す事だけ。


ふと、臣の視界の外れに古ぼけた小屋が飛び込んで来た。


体を引きずり、静かに扉に手を掛け開いた。


ギィィィ


鈍い音は、手を伝わり体の中を駆け巡り抜けていく。


薄暗い小屋の中を、目を凝らしていくと、床にうずくまる奏の姿を見つけた。