愛してんで



佳「かなっ…ゲホッ…ゴホッ…」


平「佳康っ!!大丈夫かっ!!」


佳「ゴホッ…大…丈夫っ。」


隆「大貴ーっ!奏、見つかったか?」


別れて捜していた8人が、また1つに集まる。


冷たく突き刺さる雨に、気力さえ奪われそうになる。


雨の中、無機質に佇む港の柱時計は、いつの間にか9時になろうとしていた。


昂「どこに居んねんっ!!」


重く滴る前髪を書き上げ、時計を睨み付ける。


臣「もしかして…」

柚「何や、臣。心当たりあるんか?」


臣「あそこやっ!!倉庫街!!普通の人は行かへんけど、あそこなら、雨は避けられるんちゃうかっ!!」


8人は、最後の力を振り絞る様に駆け出した。