綾「奏ーっ!!」 隆「奏ーっ!どこだー!!」 柚臣「昂っ!!奏はっ?」 駆け付けた2人に、力無く首を横に振る。 大「手分けしようぜ。西の埠頭と東の埠頭に。」 雨の中、冷えた体を翻し走り出す。 激しさを増す雨に、叫ぶ声はかき消される。 人気の無い港は、街灯が怪しく灯り、不安の影を落とした。 必死に奏の名前を叫ぶ。 水溜まりに浮かぶ無数の波紋は、姿を不気味に歪める。