愛してんで


purururu…purururu…


《早よ出ろやっ!》

プツッ


柚『もしも~し、昂どないしてん?』


昂「今、どこやっ?どこに居んねんっ!!」


柚『何やねんなぁ~。そないに怒鳴らんでも…「どこに居んねんっ!!」

ちょっ、どないしてん?今、カラオケや』


電話の向こうから聞こえる昂の声に、柚は、ただならぬ気配を感じた。


昂「臣も、一緒に居るんか?」


柚「そっ、そやで。何かあったんか?」

昂「すぐに、奏を探してくれっ!!訳は、後で話す。」


柚「おっ、おん。分かった。」


昂「すまんな。頼んだで。」


プツッ…


切れた携帯を握り締め、ジーンズのポケットにねじ込み、部屋へ飛び込んだ。