隆「ほいっ。」
奏「ありがとう。」
隆太は、奏の隣に静かに座り込んだ。
隆「俺の初恋だったんだ。千里は。」
奏「!!」
隆「幼なじみで、いつも優しい『ねぇちゃん』だったんだ。気付いたら、好きになってた。でも…そん時には、和樹さんと付き合ってた。俺が覚えてる千里は、いつも笑ってて傍には和樹さんが居た。和樹さんは、俺の『兄貴』みたいだったし…『俺、2人が好きなんだなぁ~』って…2人の事が憧れだったんだ。今日、久々に会って、気持ち変わってねぇなぁ~って。千里の事、応援してやらねーとな。」
笑う隆太の目から、1粒の涙がコーヒーに落ちた。
奏は、そっと隆太を抱き締め、背中をゆっくりとさすった。
隆太は、奏にしがみつき声を殺して泣いた。
2人の姿を、月が優しく照らす。


