「大丈夫か?」 「うん。ちょっと、飲んじゃったけど」 「怖かっただろ」 「うん。人間、酔っ払うとああなるんだね」 「みんなじゃないけどね」 シオウがエレベーターのボタンを押す。 ドアはすぐに開く。 時間を稼ぐってことを、知らないエレベーターだ。 あたしは乗る。 シオウも。 他にはダレも乗ってこない。 扉が閉まる。