「すごく、可愛い。人形みたい。好みとか、超越して、振り返って見ちゃうくらい、キレイ」

「・・・じゃあ、カイリは凄腕のメイクさんなんだわ」

シオウは笑った。

「そうか」

「うん」

「じゃあ、次、どこかですれ違っても、わからないね」

ドキっとした。

いや、

ズキッとしたのかも。

もう、こうやって会えることはないヒトなんだ。

その事実にえぐられる。

わかってる。

だから、これ以上、惹かれないように、自分をコントロールしている。