スイは、オレを探すこともなく、電車に乗って行ってしまった。

これで、おしまい。

こっちを向く。

手を、振ろうと思った。

でも、

彼女は、真っ直ぐに、オレを見てきた。

いや、オレの姿を、彼女が映していたのかもしれない。

ああ、やっと会えた。

オレは思った。

けど、

彼女の目から、綺麗に一粒、涙がこぼれた。

オレは、動けなくなった。