そして、あたしはまた病院に戻った。

今日は何をするわけじゃないけど

病室にいてねって

言われちゃった。

・・・というわけで

瑠輝と病室で、2人っきり。


「おい、りんご食うか?」

『うん、食べる。』

あたしは、声が出ないから

紙みたいなのにペンで文字を書く。

「わかった。ちっと待ってろ。」

瑠輝は、あたしよりも料理上手いからなぁ・・・

羨ましい。

「ほら、出来たぞ。」

『ありがと。』

あたしは、出てきたりんごを1コ

摘んで口に入れる。

『美味しいっ。』

「そりゃ、よかった。」

瑠輝は、いつもの優しい笑顔で

あたしに微笑んだ。

最近よく見せる表情だ。

そういえば、今思ったけど

紙に何かをいちいち書くのって

めんどい。

それに、

キスして欲しいときって、どうしたらいいの?

今は、ちょっとだけ心が弱ってて

だからその・・・。

して欲しいだけなんだから!

書くのは恥ずかしいから

気づけーーーーっ!

と心の中で念じる。

「どうした?俺に惚れたか?」

『そ、そんなわけないでしょ!』

なんでそーなんの!?

「じゃあ、なんで俺のこと見つめてたの?」

『見つめてなんかないし!』

「嘘付け。」