「声が出ねーって・・。なんだよ、それ。」

とりあえず、病院行くぞ。

そう、瑠輝は言って

あたしの手を引いた。


病院にて。

「これは・・。失声症です。」

「失声症・・・?」

「精神的なショックとかで、起こるものなのですが・・・。何か心当たりはありますか?」

お医者さんの言葉に、あたしと瑠輝は

顔を見合わせた。

心当たりなんて、あるに決まってる。

アレだ

あの事故だ。

「ここにくる前コイツ、トラックに引かれそうになったんです。」

声の出ないあたしの代わりに

瑠輝が説明してくれる。

「おそらくそれが原因でしょう。」

「いつ、治るんですか?」

「心因性のものなので、すぐに治すことは・・・。」

出来ないよね。

どうしよう、声がでなくなっちゃうなんて・・・。