それから

来た道を戻るように、あたし達はマンションへ帰った。

「お、お邪魔します。」

「んなにかたくなんなくても、俺しかいねーよ。」

「え?な、なんで?」

「俺、1人暮らしだから。」

「ふーん。そーなんだ。」

1人暮らしのくせに、結構ちゃんと片付いてる。

・・・もしかして、すげー奴?

「お金とか、どーしてんの?」

コイツがバイトしてるとこなんて、見たことないし。

「株で稼いでるから。その辺は問題ねーし。」

か、株!?

コイツ、ホントに高校生!?

しかもあたしより、年下だし。

学校行って、その上お金も稼いでんだ。

「1人って寂しくない?」

「別に。慣れたらへーき。」

瑠輝は、そう言って笑ってるけど・・・

本当にへーき?

へーきなのになんで、なんで

そんなに瞳の奥が寂しそうなの?

まだ、数日しか一緒にいないけどさ。

そんなあたしでも・・・わかるよ?

「・・・今日、泊まってくから。」

「はぁ?どうした急に。」

「いいから。もう・・無理すんなっての。」

あたしは気づいたら、そう言ってた。

無理して、へーきなフリしないでよ。

あたしの前でまで、かっこつけないで?

1人って、辛いときあるよね。

いいときもあるけど・・・あたしは辛い。