仮彼氏。

「ほら、着いたぞ。」

「う、うん。わっ・・まぶしっ・・。」

目の前に現れた光の明るさに

きゅっと目を細める。

そしてあらためて

あの中が、真っ暗だったことを実感。

「・・・悪かったな。」

「へ・・?」

「怖い思いさせて、悪かった。」

いつも、あんなに自信満々な瑠輝が

あたしに謝ってる。

なんか、胸の奥が

きゅっと苦しくなった

・・・気がした。

「い、いいよ。そんなに謝んなくても。」

アンタらしくないじゃん?

「んならいーけど。んじゃ次行くか。」

「うん。」

瑠輝は、ふっ切れたように笑って

あたしの手を引いた。

「・・ありがとね。」

「んあ?なんか言ったぁ?」

「ありがとって言ってんのっ!1回で聞き取れ!」

2回も言わせんな、恥ずかしいから!

「ぷっ・・。素直な奴。」

「うっさい//」

アンタがあんまりに素直だから

あたしもちょっと素直になってみただけ。

・・・勘違い、しないでよね。