「もう、平気か?」

「う、うん。大丈夫。」

大丈夫じゃないけど、

さっきよりは大丈夫。

「俺の腕の中にいろよ。そんなら怖くねーだろ?」

「あ、ありがと。」

瑠輝は、あたしから1回離れて

あたしの肩に、腕を置く。

「ほら、行くぞ。まだ怖えーなら、目ぇ瞑っとけ。」

ぐぃっとあたしを引き寄せて、

瑠輝は歩き出した。

最初に意地悪してきたのは

そっちなのに。

ちゃんと、最後は

優しい。

あたしより、年下のくせに

なんであたしより、余裕なんだろう?

有り余る余裕が

なんだかちょっとだけ悔しくて

でも、それでも

なんだかちょっとだけ

惹かれてる自分もいて。

どうしよう、どうしよう。

あたし

・・・この気持ちわかんない。