「おい、おーい。」

「ん・・?きゃっ!」

「何テンパってんだよ〔笑〕」

そんなこんな考えてるうちに

瑠輝の顔と、あたしの顔が

後数ミリのところになっていた。

「か、顔・・・。近すぎっ・・。」

「わざとやってんの。気づいてなかった?」

いつもの意地悪そーな笑みを浮かべたまま

瑠輝は、あたしの顎に手をかけた。

「きゃっ・・・。な、何・・?」

「キス。してもいい?」

さっきよりも、ずっとずっと真剣な瞳で

あたしを見つめてくる。

「・・・ダメ。」

「それは俺が許さねー。」

これでも、心臓破けそうなくらい

ドキドキしてるのに。

キスなんかしたら、あたしはどうなっちゃうの?

もう、まともに目も合わせられない。

「目ぇ、逸らすなよ。」

「む、無理っ・・・。そんなに見つめないで・・?」

そんなに見られたら、

心の中まで見透かされそうで。

あたしは思わず目を瞑った。

「チュっ・・・。」

その瞬間。

触れるだけのキスが、あたしの唇に。

「・・・る、瑠輝・・?」

「んだよ。」

「し、心臓、ドキドキする・・・。」

「ふん。あたりめーだろ?」

“俺が、キスしたんだから。”

瑠輝は、あたしの耳元で

そう囁いた。