「・・・顔、あっつ。」

家に入ってから、ぴとっ、と顔に触れる。

こう見えても、キスなんか

実際したのは初めてだ。

まぁ、あいつが動揺するくらいは

上手くできたみてーだけど。

でも、やっぱ、

「めっちゃ恥ずい・・・〔笑〕//」

誰もいないリビングに、置いてある

ソファに腰をかける。

「株、確認しよーかと思ったけど・・・。」

今やっても、ぜってー集中できねーよなぁ・・・。

頭ん中、あいつのことばっかりだし。

・・・あいつの唇

柔らかかったなぁ。

「初めてなのに、かっこつけてんなよww」

こんなことで、照れて真っ赤になっている

自分に呟く。

あいつの前では、こんなとこ見せるわけねーけど。

あんな激しいキスしたのも

手ぇ繋いで誰かと帰ったのも、

全部全部初めてだ。

俺は、昔っから、男とばっかり

遊んでたからな。

女になんか、興味なかったんだよ

あいつに会うまでは。