「ん?なんか言ったか?」

「・・・何でもねぇ。」

あいつ、先輩だったのかよ。

どーりでクラス探してもいねーわけだ。

「お前、先行ってろ。」

「えぇー?んでだよ。」

「野暮用。またメールすっから。」

こいつだけには、気づかれたくねーし。

だって、ぜってー

しつこくきかれんじゃん。

「しゃーねぇなぁ。」

今度は、絶対付き合えよ?

と言い残して

先に歩いて行くダチの背中を見送って

俺は、ちっせーのに手招き。

・・・気づけよ?

「おっ!」

割と、あっちもこっちを見ていたらしく

すぐ気づいた。

おぉー。えれーじゃん。

あんときは、気づかなかったくせに。

俺を見つめて不思議そうに

自分を指差しているそいつに、

俺は頷いた。