片思いのままで




ポヤー。と考えていると、


「前野…さん?」



ふいに後ろから声を掛けられた。



振り返ると――――――…




「あ、薫(カオル)ちゃん。」



同じクラスの渡辺薫(ワタナベカオル)ちゃんが立っていた。



すると、私の制服の裾を掴み“こっち来て?”と目で合図した。



少し歩いて、今居るところ。




「こんなところに呼び出してどうしたの?」


「ご、ごめんねっ!」


「いや、いいんだけど…」



人ッ毛の無い階段の近く。通るにしても先生くらいだ。



「で?何?」


私は、とりあえず用を早く言って欲しくて急かした。



「えっとね…。その、くだらないけど…。」


「うん」


数秒、薫ちゃんと見つめあう形になった。




そして…




『風間君と、付き合っている?それとも、スキ?』