鍵を開けると長い脚にピッタリな白いピンヒールを脱いで先に上がって行ってしまった。
足から血の出ている私は玄関先に置いてあったティッシュで血を拭ってから部屋に上がる。
リビングに行くと既に女の人はソファに座ってテレビを見てる。
「…何か飲み「コーヒーあるかしら? ブラックね」」
「あ、はい…」
祐磨君ように買っておいたコーヒーを入れる。
どうせ飲んでくれなさそうだし…。
フンパツして少し高いのを買ったのに、飲んでほしい人に飲んでもらえない。
「どうぞ…」
「そこに置いておいて」
「はい…」
テーブルの上に置かれたコーヒーを一瞬だけみたその人は、もう一度テレビに視線を戻した。