頭痛い…。





 少しふらつく足を必死に必死にひきつれて歩く。






 家の前まで来ると安心感からか、足の力が一気に抜けた。







「わっ…」





 コンクリートに膝をぶつけて、赤い液体が流れてきた。







「…木村…神奈さんですか?」

「え…あ、はい…」






 声をかけられて上を見る。






 そこには、知らない人だって思いたい知ってる人。






「…今、お時間あるかしら」

「……大丈夫です」






 大きな瞳を私の部屋の入口に向ける。






 中にいれろってことだよね…?