王様男子


「…ったく」




 祐磨君はイライラしたような声を出して、足音を立てる。







 祐磨君の体から甘いイチゴのような香りがする。






 あの人の匂いだよね。






 顔を見られたくないだけじゃなくて、私も見たくない。






 あんなに笑顔を向けてくれてたのに。







 こんなに冷たくされてる彼女って立場分かる?





 また目頭がじんと熱くなる。






「ねぇ、祐磨君…今日何してたの?」

「…なんでそんなこと聞かれなきゃいけねぇの?」

「…そう…だよね」






 恋人として聞いちゃいけなかったのかな?






 私は祐磨君の何番目なのかな。