王様男子





 久しぶりに見た祐磨君の笑顔は、私に向けられてるものじゃなくて。







 綺麗で美人な女の人に向けられてる。







 仲よさそうに1つの黒い男物の傘に2人で入って。







 マンションを通り過ぎて行った祐磨君。








 足が竦んで動けない。







 ピカッと稲光が走る。







「あ…ヤバ」





 ハッとして急いでマンションに入った。






 いつから流れているのか分からない涙は止まらない。