「…んだよ、それ」
「祐磨、違うから!! 神奈ちゃん、二人分の食事って俺とのじゃないでしょ!!」
何か誤解をさせてしまったらしい祐磨君に必死に誤解を解こうと頑張ってくれてる紫音君。
私は突っ立ったまま何も言えない。
なんで散々放っておいて怒ってるの?
連絡も学校であっても「おはよう」もないのに、どうして機嫌悪そうに疑ってるの?
「紫音君のとじゃないよ」
「じゃあ誰と? 新しい男でも出来た? 俺は用なしか」
なにそれ。
…それは私でしょ?
勝手に流れてくる涙を見えないように必死に拭って2人に笑いかける。
「ごめんね。今日は2人とも家に帰って」
「…神奈ちゃん……」
…あーあ、せっかく祐磨君のために買ってきたコーヒー豆。
私、飲めないよ。

