「なんだぁ…俺、神奈ちゃん狙ってたのによー」

「祐磨、ちょっとカッコいいからって…」




 ブツブツと文句を言う男子は誰ひとり祝いの言葉を…。




「…俺も由麻と……くふっ♥」

「…紫音、きもちわりぃ」

「いやぁ、だってさー…見ろよ、めっちゃ可愛いだろ!?」




 びっと指を指す先には神奈。





「…神奈が可愛いのは知ってる」

「神奈ちゃんじゃねぇよ!! その横!!」





 神奈の横には、泣いて目が腫れながらも笑ってる野原。





 クラスの奴らとも普通に話してるみたいだ。




「…可愛いか、あれ」

「お前には神奈ちゃんしか見えてねぇもんな」

「わかってんなら聞くなよ」




 やべぇ、俺…今すっげぇ幸せだ。






 あの小動物みたいな神奈が俺のものなんて。