王様男子





 みんなの目が真っ赤にはれたころ、俺は紫音の肩を揺すった。





「しーおーんー?」

「………う、わあぁぁ…」

「な、なんだよ!!」

「委員長!! 何いっちゃってくれてんの!!」





 叫び出した紫音は俺の横を通り抜けて、委員長の肩を掴む。






 えへへー、と笑う委員長は俺が転校してきたときより、ずいぶんと可愛いらしい笑顔を見せる様になった。





「黙ってやるから、カッコいいのに!! 言っちゃ意味ないじゃん!!」

「あは、水谷君にカッコよさなんか求めてないよ」

「…紫音君、ショ―――ック」





 俺の横でニコニコとその様子を見てる神奈。





 問題解決後の神奈の癒され度はハンパねぇ。





「神奈ー、ぎゅってしていい?」

「へ!?///」

「拒否権なし―♪」




 神奈の返事を聞かずに後ろからぎゅっと抱きしめると、まだ少し震えてて。





 震えを抑える様にきつく抱きしめた。