王様男子



 近づいてきたクラスメイトが野原の肩を遠慮なしに叩き押した。






「…きゃっ」





 紫音に支えられた野原は、にこっと笑って紫音にお礼を言う。






「何、調子に乗ってんのよ!! ちょっと今までクラス引っ張ってきたからって」

「調子になんか乗ってない。間違ってると思ったから、止めた。いけない?」





 美人が怒ると怖いとはこのことだろうか。






 冷静に怒りを込めて睨みつけている。







 冷たい目と体温がここまで伝わってくる。






「ふざけんなよ」

「ふざけてると思うなら、いじめれば? 必ず後悔するわ。私もターゲットにした人に1人ずつ謝りたいわ。時間を…奪ってしまったんだもの」





 ぐっと引きそうになるのを堪えてるのであろう、クラスメイト。






「…由麻をいじめるなら、私が許さないよ?」




 それまで黙ってた神奈が口をはさんだ。