*神奈side*





 あっという間に由麻とも和解して横では祐磨君が笑ってる。






 付き合ってるわけでもないのに、自然に繋がってる左手にぬくもりを感じながら歩く。








「…なんで俺ら手、繋いでんだろーな」

「わかんなーい」







 同じ目的地を目指して歩く私たちの距離は昨日よりずっと狭くて、吐息まで聞こえてきそう。






 今、どうしようもなく祐磨君にドキドキして、祐磨君の香水の匂いがふわっと香るたびに脳内が痺れる。






 ごめんね、これを恋以外の何者だとも思えないよ。







 出会った日から感じてた魅力が今、最大限に引き出されて。







 祐磨君は夕陽のせいだけじゃなくて、私の目によって輝いてる。