いつの間にか泣いている由麻をそっと抱きしめる神奈。





「…だ、ダメなわけないじゃ…ないッ」





 ぎゅうっと神奈の制服を握り泣きだした野原。






 強気でリーダーシップの野原はそこには、なくて…弱弱しい女の子がいた。






 それを包み込む人は俺の愛しい奴で。






 誰より強かった。







 神奈、俺…やっぱ好きだわ、そういうとこ。







 割れた窓から冷たい風が入ってきて、夏服のスカートを揺らす。