…俺らじゃどうしようもないのかも。
野原を救えるのは俺でも神奈でもなく、紫音なんだろ?
…薄々、紫音だって気付いてる。
もちろん、神奈も。
「みんな、私のコト嫌いなんでしょ…? ずっとそうなんだもんね」
「野原!」
保健医から受け取ったコップを投げた。
水は見事に紫音にかかってコップはプラスチックだったみたいで、カランという音と共に落ちる。
「どうして!? 私、頑張ってたのに! みんなと仲良くしたかっただけなのに!! なんで、こんなことになるの? 全部私が悪いの?」
きっと、紫音の言うとおり…野原はいい奴だったんだろう。
それをこんな風にした奴が悪いんだ。
野原はただ、弱かっただけなんだ。

