「ちょ、野原!! 何やってんの!!」



 紫音はあわてながら野原に近づき、体を押さえる。






 保健室はテーブルがひっくりかえり、窓ガラスが割れ、薬棚から沢山の薬が飛び出している。





「…し、おんッ……」

「野原、落ち着けって!」




 紫音を見るとペタっと床に座り込んだ野原。




 先生はため息をついて野原に水を渡す。




「…由麻、大丈夫…?」

「…何か用? バカンナ」




 弱弱しい姿のくせに目だけはしっかりしていて、鋭い目つきで神奈を睨む。




「おい!!」

「なによ…。紫音まで神奈の味方なの?」




 紫音に大きな声を挙げられてビクッと肩を上げた。




 紫音に言われると弱いのか、眉を下げて悲しそうにする。