するとふくれっ面で俺の横まで走ってくる紫音。





 クスッとさっきまで泣いていた神奈が笑う。






「な、なんだよ!」

「なんでもないよ? 紫音君は優しいね」

「…んなことねーよ!」



 さっきまで自分で言ってたくせに急に照れ出す紫音。





 なんだ、こいつ…。






 1人騒がしい紫音と共に歩いているとすぐに保健室に着いた。






 ノックをしてから入ろうと手を扉に近づけた時、中から大きな音が聞こえた。






 ガシャンと何かが割れる音や物が落ちる音が止まない。






 何だか焦るような、必死の声が中から聞こえて急いでドアを開ける。







「野原さん! 落ち着いて!!」

「うるさいっ!!」





 保健医の先生が必死に野原の両手を掴んで離さない。





 …何